看護部

病棟だより バックナンバー

8.患者作品展に向けて

当院の看護部では、残念ながら患者さんが認知症になってしまっても、一人の人として大切に関わっています。毎日の生活の中に少しでも変化をもたらすことで、患者さんは生き生きとした表情になります。私達、介護療養病棟はチーム(看護師と看護補助者)でいつもこのことを気にかけ、1日の中で短い時間であっても患者が「快」の気持ち(楽しい、嬉しい、出来た、笑顔など)を持てるように関わっています。

写真:作品づくりの様子1写真:作品づくりの様子2

11月中旬、いよいよ来月は患者サービス検討委員会が主催する患者さん対象の作品展です。例年のごとく、スタッフや患者さんの家族が家から作品の材料となるドングリやペットボトルのふた、松ぼっくりを持参してくれました。昔、子供が使っていた習字道具を持ってきたスタッフもいました。準備が整ったところで患者さんの出番です。元気だったころに書道を教えていたSさんは、字の下手な私から見るととても素敵に書けていると思うのですが、自分の筆さばきに納得がいきません。満足がいかなくても「書道をすることは楽しい」と言って、真剣に取り組んでいます。日々あったことや感じたことをスタッフから勧められてノートに俳句で書きとめているNさんは、手先が器用で、「できない」と言いつつ、一見、淡々と筆を持っているようですが、やはり「楽しい」と言って書いたり、松ぼっくりを使って作品を作ったりしています。看護師も介護士もケアの合間を縫って、患者さんと一緒に作ったり、口を出したりしています。普段はあまり話をしない患者さんも松ぼっくりと真剣に格闘したりで、そこにはいつも温かい空気が流れています。ある夕暮れ時、薄暗いロビーで夕陽を浴びながら患者さんと介護士が2人で作品づくりに精を出している場面に、孫とたたずんでいるようなほんわかした雰囲気を感じたりもしました。

写真:作品1写真:作品2写真:作品3

これらのことは、単調な療養生活の中で少しでも楽しいと感じられる時間をスタッフと患者さんが共有することにつながるばかりか、いつもは「生活の手伝いをされている」患者さんの「一人でもできることの喜び」や「やり遂げた満足感」にもつながり、その人の「生きていく支え」にもわずかながら貢献できているのでは?と思えました。

平成24年12月6日 洞爺温泉病院 看護部 西3病棟(介護療養病棟)


- 前のページに戻る -

このページのトップへ