看護部

病棟だより バックナンバー

1.ある病棟の嬉しいできごと

〜患者さんにもおしゃれを!!〜

私たちの病棟には、脳疾患による重度の意識障害・後遺症のある患者が多く入院しています。入院期間も長期間にわたり、ご家族も遠方の方が多く、おのずと面会の回数も限られている患者も少なくありません。

Hさんは若くして脳障害を起こし、ご家族と離れて療養生活を送っていますが、ご家族にとても愛されているHさんです。会話は目の開閉でイエス・ノーを表せる方です。

入院当初から様々な関わりをさせていただき、笑顔も多くみられるようになっていた去年の夏、あまりの暑さに病衣では対応できず、“少しでも涼しく”と、ある看護師が「キャミソール」を持ってきて着てもらいました。Hさんの年齢であれば誰でも普通に着ている物です。

健康であれば楽しむことが出来た“おしゃれ”。キャミソールをきっかけにスタッフで知恵を出し合い「おしゃれ大作戦」が始まりました。

あるスタッフはマニキュアを、またあるスタッフはエプロンを、などなど、病室で着飾ることが多くなったHさんでした。

またいろんな特技を持っているスタッフが多く、「笑いのツボにはめる」「髪をセットする」「マニキュアを今風にする」「体のすみずみまでピカピカにする」など・・・・。

Hさんの反応がますます良くなりました!

面会にこられたお母様が、そのようなHさんをみて母としての気持ちを「交換ノート」につづっていただきました。「交換ノート」は、家族の方が面会にこられない間の様子を書き入れたもので、直接お話し合いのほか、家族の方も看護サイドへの要望などなんでも自由に書いていただいているものです。

「もう娘の洋服を選ぶことなんかあきらめていました。いままで面会を終え帰るときはいつも悲しい気持ちでいましたが、最近はどんな洋服が似合うだろう?など考えて娘のものを買うことができ嬉しくてたまりません。娘のことを思ってくれてこんなうれしいことはありません」と感謝の言葉をいただきました。

「少しでも涼しく」と行った行為が、Hさんの新たな変化を促し、そして、お母様の気持ちを支えることに結びついたことに、私たちにとってもすごく嬉しく充実した気持ちを味わうことができました。

忙しさの中では、業務をこなす感覚に陥りやすい。時間がないからできないのではなく、患者の可能性を引き出すために今・どこに・どのように・手を出すかを諦めないで考えることだとあらためて実感させていただきました。

今後もこのような姿勢を大事にしながらかかわっていきます!!!

平成18年7月1日 洞爺温泉病院 看護部


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